今から約20年前。片田舎の研究所の一室で、繰り返し実験を行う若手技術者の姿がありました。彼のミッションは自動車の安全性評価基準の策定でした。作業着に身を包み、ときに先輩に指導されながら、来る日も来る日も実験に没頭、ただ「クルマの安全性を高めたい」という夢のために———。そう、20代の私です。大学卒業後、実に8年もの間、私は技術者としてある研究所に勤めていたのです。
議論を重ね、設計し、解析し、試作品を作る。いくつもの工程を進むごとに、一つずつ課題が解決されゴールに近づく達成感を、技術畑出身の私は肌で知っています。その喜びを共有できる仲間を増やし、高度な技術を持ったプロフェッショナル集団をつくること、それが現在アルテクナの経営者となった私の夢です。
もちろんその夢は、派遣先であるお客様企業からの強い要望でもあります。グローバル化が進み、海外企業との競争が激しさを増す現在、日本のメーカーが生き残るためには、企画、開発、設計をはじめとする製造の前工程においてどれだけ優位にたてるか、にあります。そのような状況においてお客様が求めているのは、ライバルに勝つために何が必要なのかをともに考え、カタチにできる人間。つまり、豊富な知識と卓越した技術、そしてコミュニケーション能力でお客様に貢献できる人材なのです。
こうした要望に応えるために大切なことは、「人作り」だと私は考えています。技術研修はもとより、社員の発信力、危機管理能力などをはじめ、人間力を高める研修にも力を注いでいきたい。また、ジョブローテーションを通じて幅広い視野を身につけさせたい…やりたいことは山ほどあります。
私は今、夢に向かって着実に会社を成長させています。たとえば現在、アルテクナでは技術者個人を派遣する従来の業態だけではなく、お客様先に一グループ単位で優秀な人材を送り込み、プロジェクト全体を請け負うというスケールの大きな業務も行うようになりました。お客様から与えられるのは、テーマと納期だけ。何をどうするか、どうスケジューリングするかは、すべてチームアルテクナに任せる、というスタイルです。また当社が得意としてきた受託開発も積極的に推進し、将来的には自社製品が開発できるまでの力を蓄えていきたいと考えています。
高度な技術を持ったプロフェッショナルとして、社会に貢献する。その喜び、アルテクナなら思う存分味わうことができます。熱いスピリットを持った人を、心よりお待ちしています。
私たちの仕事に問われるのは、技術力だけではありません。社内のスタッフと円滑に業務を進めるコミュニケーション能力など、総合的な人間力が不可欠です。その中でも私は、「発信力」を重視しています。現状の課題をクリアするために、何をすべきかを自分で考え、それを分かりやすく周囲の人間に発信する。指示を待つだけの人間ではなく、自分起点で仕事を回せるような積極性のある人と、一緒に仕事をしたいですね。